スイ眠 min のブログ

難産で無事に出産したら嬉しすぎてそう状態になっちゃった!
双子母、双極性1型。今は個性あふるるドクター達の出会いによって落ち着いてきているけれど、思うようにならない現実を受け入れる?抗ってみる?

おこうこの煮いたん

こんにちは。
今日は大村しげさんの「京のおばんざい」の引用からです


おこうこのたいたんは、手間がかかる。
おばあさんはいつでも「これはぜぇたくなおかずえ」と、言うてはった。
京都のこどもは、きっと、誰もがそない聞いて、耳がたこになったにちがいない。


このぜいたくという意味は、そのままでもいただけるおこうこの味を抜いて、
また味をつけるという冥加の悪いことをするので、
それがぜいたくやというのである。
そやから、町で売っているおこうこのたいたんには
「ぜいたく煮」とか「大名煮」というようなうがった名がついている。



おこうこのたいたんは、あつあつよりも、冷とうなったのが、おいしい。
舌にのせると、とろけるほどやわらかいし、
上戸はこれでチビリ、チビリとやるのがなにより、と上機嫌である。
タカノツメがピリッときいて、それも味のうちやろうか。
熱いご飯でいただくのもよし、お茶づけにも合う。


「これはやっぱりぜいたくなもんや」
自分でおこうこをたくようになったら、ぜいたくの意味もわかるようになってきた。
お砂糖はいっさい使わず、ただ、だしじゃことおしたじだけのつつましい味である。


(一部省略)


この本は大好きで散々読んだ。京都の先斗町あたりででるおばんざいは
「ぜいたく煮」みたいな顔をしているけれど、
京の台所はほんとはつつましい。


今季の私はいつも以上に気分が安定しない。
さっき、ふとんに挟まってぐるぐる落ち着かないときに
このおこうこの煮いたんを思い出した。
私も一度塩味がついたんだけれど、水に浸されて煮込まれてクタクタ
じゃないか?
こんなにもふとんにもぐってなんにもしないで夕方になって、
「これはぜぇたくなおこないえ」
と、しげさんのおばあさんに言われた気がした


ぜぇたくだ、と自分でも何度も思っている。
私のぜいたく煮はやっぱりちょっと苦いのかな?




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